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日本道経会、ヨーロッパ研修 報告書

このたびのEU経済視察旅行について、ご報告致します。

最初にこの旅行をご賛同していただいた風澤社長に感謝し、かつ社員の皆様に対し期間中のご協力に感謝します。

それでは、個人的な見解を含めて私が垣間見たEUの一端をご報告致します。

まず、チェコから入りますが、私は当初チェコは農業国であると考えていました。しかし、JETROのチェコ水野所長の説明を聞き、驚きを禁じえませんでした。

というのは、チェコは戦前から世界の工業国としてベスト10に入る国であったということです。国の北部に鉱物資源があるのみで、日本と同様に資源を輸入して加工製品を輸出するという日本的な生き方をしていたのです。

いわゆるこのノウハウは近世時代のチェコ各地の貴族たちがかなりの資本をもち、かつ優秀で軽工業を興し、やがて近代で重化学工業を発展させたものです。現在のチェコは東欧共産圏が崩壊し、新しい国家建設に乗り出しています。

人口は1千万人足らずで、低い労働力、低い賃金の国家です。そこへ今や、ドイツ、日本等の大企業が新工場の建設ラッシュをすすめております。

これは、日本の大企業が、生産拠点を日本から中国へシフトするのと同じ現象であるといえます。なお、チェコの出生率は日本と同様に1.2人以下です。

ところでチェコの首都プラハの古都の美しさはブルタバ川の流れに沿い、ドボルザークのクラッシックを思わせる美しいたたずまいでした。1度は必見の都であると言えます。

次にミュンヘンについてですが、ドイツはベンツ、ベンベ、フォルクスワーゲンに見られるように自動車産業を基幹産業としています。しかしそのドイツ自動車産業も生産拠点を今や東欧からウクライナ等へロシア圏まで広げています。その上、ドイツ人は頭を下げて自動車を売るという姿勢はなく、世界に類のないベンツという高級商品を作ってお客様から頭を下げて、買いに来ることを待っているという反商業主義的な面があるそうです。

その上、戦後の高度経済成長で、例えばトルコ人を300万人も導入して、3Kの仕事をやらせるという安易な道を選び、今やトルコ人対策も国内の重要な問題となっています。

とはいえ、ミュンヘン、フランクフルトはウィーンと同様にヨーロッパ大陸の中心にあり、21世紀のEU中心地になると言われています。

ミュンヘンには、EU諸国は必要とあれば飛行機で1時間足らずで集結できるとのことです。

引き続き、フランス、パリですが、この街並みはそのセンスと歴史的な味わいから唯一無二の花の都であると言えます。この背景には、18世紀のフランス革命における人権宣言を達成したジャン・ジャック・ルソーやボルテールまたナポレオンたちの理想と誇りがあるようです。フランスの工業は北アフリカのかなりのアルジェリア人等を低賃金労働者として活用しているようです。

それはドイツ、日本と同じような傾向を示していると言えます。

なお、パリ郊外に広がる中世を思わせるような広大な農村地帯はまさにフランスの農業大国の姿を見せています。

最後にチェコ、ミュンヘン、パリ、フランス等の石造り、また煉瓦作りの建物は300年から400年を要する苔生す歴史を感じる重さがあります。

これは我が日本の木造、RC建築物の寿命の短さからいうと、なんとも羨ましい限りです。

こと建物に関する投資効率は、EU諸国の方が日本よりはるかに上回っているようです。

しかし、そこにはヨーロッパ大陸に大地震がないという自然的条件がありました。

振り返って、わずかのささやかな研修でありましたが、ドイツ、フランス等も生き残りをかけて必死のようです。しかもEU諸国は個人中心で労働者の権利が過剰に保護され、新産業の展開と労働者の配置転換が遅れがちです。

EUも大きな転換点に差し掛かっているようです。

アメリカの勝ち組中心の経済論理はEUにも大きな圧力として覆い被さっているようです。私としては、EUはアメリカとは別個の新しい世界を構築していると思っていました。

しかし、今回の現状を見ますと市場経済の論理を、貫徹していかざるをえない現状ではアメリカを含めてEU及び日本もいかにして自国民の1人1人が幸せになるかという市場経済社会の在り方を極めなければならない歴史的な段階にさしかかっているようです。

ひるがえって、我が日本のことを思いいたしますと、我が日本の国力はEU諸国と比較してもかなりのレベルにあると思います。

しかし、日本の我々は余りにも気忙しくミツバチのように働き、生活のテンポも落ち着きがなく、軽薄な国つくりに走っているようです。これからの日本と日本国民は確固とした哲学をもち一つ一つ丹念に国つくりをして行く重々しさが求められているように感じられます。

以上、簡単ではございますが、小さな旅のご報告とさせていただきます。

末筆ながら、江戸時代の言葉で表現すれば道経塾の皆様方に連れられて「お伊勢参り」をさせていただいたという嬉しい気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

                           2004,16,11,3  

フーサワ商事㈱ 三 橋

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